中級日本語文法を教えるためのアイデア集

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中級クラスでこんなことを感じたことはありませんか

 ブログの「はじめに」で、短文完成練習以外の活動を取り入れることになったきっかけを書きましたが、今日は、ブログで紹介している活動が、どんなことでお困りの先生方のお役に立てそうかについて書いてみます。


中級の文法指導で、こんなことを感じたことはありませんか。


1.以前の教え方が通用しない。
2.学習者のレベルと比べて、教科書の例文や練習が難しすぎる。
3.選択問題やマッチング問題はできても、短文作成練習はできない/やらない学習者がいる。
4.クラス内のレベル差が大きい。
5.初級クラスと比べて話す機会が減り、学習者が受け身になっている。
6.授業に口頭での活動や自己表現をする活動も取り入れたい

 

「ある、ある」とお感じでしたら「活動」が使えるのではないかと思います。

 

これらはまさに私たち自身が感じていたことですが「活動」を取り入れるようになってから授業に変化が見られるようになってきました。

 

4を例に「活動」をとりいれて良かった点を書いてみます。

 

「選択、順序づけ」タイプの活動ではレベル差の問題を緩和できると感じています。

(例:授業アイデア 「~ながらも」 - 中級日本語クラスのためのアイデア集

 

このタイプの活動は、学習項目のアウトプットは求めません。学習者は学習項目のインプットを得て、さらにその内容について自分の場合はどうなのかを考えることになります。そして、その選択をもとに会話を行います。

 

ペアワークではどの学生も、まずは選択肢から選ぶだけで、自己表現が可能です。さらに、できる学生は選択するだけではなく、プラスアルファの情報を伝えることができます。また、選択肢の中に分からない言葉がある場合など、自然と教え合いが生まれます。楽しそうに教えあって会話する学習者の様子を見ていると、こちらもうれしくなります。

こんな感じで、この活動ではレベル差が大きな問題にならず、ペアワークを進めることができます。ペアワーク後に、短文完成練習などをすれば、学習項目のアウトプットもできますね。

 

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